「 もうここがどこだか さっぱりわかんなぁ~~いっ! 」
すっかり霧に包まれた山の一本道に、1台の車がやってきた。
「 どんどん真っ白になってくじゃん! 」
「 ちょっと車をとめた方がいいんじゃない? 」
その車に乗っていたのは、クルちゃんと モイちゃんという
今年、短大に入ったばかりの女性ふたり・・・
「 ねぇ・・・ あそこ・・・ 温泉って書いてない? 」
「 ほんと? 入っていこうよ・・ 誰もいないみたいだし! 」
ふたりは車をとめて、霧に包まれた山の天然露天風呂に行った。
「 あ~~ いい気持ち♪ 」
「 真っ白な世界って言うの? ほんと景色も見えないね 」
「 なんか幻想的な感じがしない? 」
「 霧と湯気で、まるで雲の上にいるみたいじゃない? 」
「 いいね~♪ 極楽極楽~~ 」
ふたりは、真っ白な露天風呂を堪能していた。
そこへ・・・
何かが、モイちゃんの頭の上を飛んだ!
ぴょん♪
「 きゃっ! 」「 えっ? どうしたの? 」
「 何かいたぁ!! うさぎみたいなのがっ!! 」
って言うと・・・
モイちゃんは、うさぎみたいな生きものを追っていった。
「 も~ ほんとうにあの子は動物が好きだから・・・ 」
「 お~~いっ! 何かいたぁ? 」
クルちゃんは、ひとりでどこかに行ったモイちゃんが心配になって
呼んでみたけど返事がない。
「 ちょっと~ 返事ぐらいしなさいよ~ 」
クルちゃんが、モイちゃんを探そうと立ち上がった時・・・
フワーと風が吹いて、霧がはれて 目の前が一瞬見えた。
「 ぎゃああああ! なんで馬が??? 」クルちゃんは、あわててタオルで体を隠した。
「 馬っていっても、なんか照れてるし~~ 」
「 この温泉は、動物たちも浸かりにくるのかな?? 」
「 そうだ! モイを探さなくっちゃ・・・ 」
クルちゃんが、お湯から出ようとした時・・・
また、一陣の風が吹いて 辺りの霧がはれた。
「 ・・・・・ 」
「 きゃあああああああああああああああああ!! 」
「 なんで、じじいがいるのよぉ~~!! 見られた~~! 」
怪しげなお爺さんがヨダレを垂らしてクルちゃんを見てた。
「 ほんに 極楽じゃて・・・ げへへ~ 」
クルちゃんは、あわてて お湯からあがると逃げ出した。
途中で、桶があったので 無我夢中で投げつけた。
カッコーン!!クルちゃんは・・・ 霧の中を脱衣所を探して歩き回った。
テーマ : 創作シナリオ
ジャンル : 小説・文学